サンプル調製について/アンプリコンシーケンス解析(illumina MiSeq)用

弊社ではライブラリー調製に2-step tailed PCR法を用いております。
1st PCRは目的領域の増幅とアダプター配列(2nd PCR用のプライマーとの相同部分)の付与、2nd PCRはシーケンスアダプターとサンプル識別用のindexの付与を行います。
2-step tailed PCR法については、イルミナ社提供の資料をご参照ください。

弊社でのアンプリコンシーケンス解析をご検討しておられ、お客様でライブラリー調製を行われる場合は、弊社よりプライマーを送付いたします。
1st PCR用プライマーは1,500円(税別・送料込)、
1st PCR用&2nd PCR用プライマーは10,000円/96サンプル(税別・送料込)です。

アンプリコンシーケンス解析の「5.対象遺伝子領域」のプライマーセットはストックがありますので、すぐにご提供可能です。
また、リストにないプライマーセットでの解析も可能です。遺伝子特異的部分のプライマー配列を教えていただければ、1st PCR用プライマーを合成してお送りします。合成は無償で、送付代として上記の通り1,500円(税別)がかかります。

ライブラリー調製方法は以下を参考にしてください。

1st PCR

1st PCR用のプライマー配列と反応条件例

1st PCRについてよくある質問

Q1. テンプレートDNAの量は?
A1. 経験上1~5ng程度のDNA量を推奨しております。
また、DNA抽出については市販のDNA抽出キットをご利用していただければ問題ございません。
抽出キットとの比較検証データはこちら

Q2. 1stPCRのサイクル数の目安は?
A2. 25-35サイクルが目安です。35サイクルを超えると非特異的な増幅(ネガティブコントロールでも増幅してしまう)が起こる可能性が高くなります。

Q3. 精製は必要?
A3. 弊社に1st PCR産物を送る場合は、1st PCR反応溶液のままお送りいただいて構いません。弊社で精製いたします。
お客様自身で2nd PCRまで行う場合、1stPCR後の精製は実施してください。精製の目的は使用したプライマーの除去(おおよそ 100bp 以下)ですので、ビーズ精製・カラム精製・ゲル切り出しいずれの方法でも問題ありません。

Q4. 電気泳動による増幅産物の確認は必要?
A4. 必須ではありませんが、電気泳動ができる環境であればご確認いただくことをお勧めします。
弊社では、送付いただいた1st PCR産物を精製後、濃度測定のみ行います。濃度測定の結果が定量下限値未満でも2nd PCRへ進みます。2nd PCRで目的の増幅産物が確認されなかったサンプルは、対象DNAの増幅なしの結果をもって終了となります(つまり、シーケンシング解析は行わない)が、解析費用は満額のご請求となります。

Q5. 電気泳動の結果、非特異増幅産物が確認された場合はどうしたらよい?
A5. 目的の増幅産物のみとなるよう、精製することをお勧めします。
精製しない場合、シーケンシング解析で非特異増幅産物由来のデータも取得されるため、目的の増幅産物のデータが減ってしまうことはあらかじめご了承ください。
※注意:ITS領域は種により長さが異なります。ゲル切り出しによる精製はデータのバイアスの原因となる場合がありますので、ITS領域の増幅産物の精製はお勧めできません。

2nd PCR

以下は、 PCR 酵素に ExTaq HS [TaKaRa]を使用した例です。
他の PCR 酵素を使用する場合は、そのPCR酵素推奨の反応組成・反応条件で調製してください。

●反応組成

10x Ex buffer
2.0 ul
dNTPs (each 2.5 mM)
1.6 ul
2nd primer mix (each 2.5uM)
4.0 ul
1st PCR Product
2.0ul
ExTaq HS[TaKaRa](5 U/ul)
0.2 ul
滅菌蒸留水
10.2 ul
Total
20 ul

 

●反応温度

94°C
2min
94°C
30sec|
60°C
30sec|8-12 cycles
72°C
30sec|
72°C
5min

 

●2nd PCR用プライマー配列(5’→3’)/アンプリコンシーケンス解析(illumina MiSeq)用
2nd Forward primer:
AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACAC-index*-ACACTCTTTCCCTACACGACGC
2nd Reverse primer:
CAAGCAGAAGACGGCATACGAGAT-index*-GTGACTGGAGTTCAGACGTGTG
*サンプル識別用の配列です

弊社からご提供する2nd primer mix は上記のプライマーを混合したものです。
下表のようにサンプル間でindexの配列の組み合わせが重複しないように使用してください。

サンプル名 2nd primer mix サンプル名 2nd primer mix
SampleA F1-R1 SampleI F1-R2
SampleB F2-R1 SampleJ F2-R2
SampleC F3-R1 SampleK F3-R2
SampleD F4-R1 SampleL F4-R2
SampleE F5-R1 SampleM F5-R2
SampleF F6-R1 SampleN F6-R2
SampleG F7-R1 SampleO F7-R2
SampleH F8-R1 SampleP F8-R2
2nd PCRについてよくある質問

Q1. 精製は必要?
A1. 精製は必ず実施してください。精製の目的は使用したプライマーの除去です。
2ndPCRに用いるプライマーはMiSeqでの解析(SBS法)に必要な配列を含んでおります。MiSeqでの解析時に2ndPCRに用いるプライマーが含まれていると、2ndPCR用プライマーが優先的に解析されてしまい、データの取得が困難となる可能性がございます。

弊社ではビーズ精製を行っています(Agencourt AMPure XP を使用)。
精製方法例)20ul の PCR 産物に対して、AMpure を 20ul 添加する。80%エタノールで wash を 2 回行い、10mM Tris-HCl (pH 8.0) 20ul で溶出する。

カラム精製でも問題ありません。ゲル切り出しは濃度不足になる可能性があるので推奨しません。

Q2. 必要濃度と液量は?
A2. 濃度10 ng/ul以上、液量20 ul以上です。濃度が満たない場合はご相談ください。

Q3. サンプル送付時の容器は?
A3. 8連チューブまたは96穴プレートで送付してください。

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