実験室のコンタミネーション検証の結果が出ました。今回はきちんとお伝えするため技術的な内容になってしまいます。
実験内容ですが、実験室の大気を24時間ほどフィルターにサンプリングしました(直径13mmのフィルター2枚)。それをDNAを溶解させるbuffer(EB buffer)に漬け込み、冷蔵で数日保管。その溶液を使って2ndPCRを行いました。
2nd PCRは1st PCRで付加したシーケンシングに必要な人工的な配列をターゲトっとしているので、1st PCR産物あるいは2nd PCR産物でなければ増幅の鋳型となりません。2nd PCRの結果わずかに増幅が確認されました。電気泳動の結果は明瞭なピークが確認されなかったものの(見た目には増幅していない)、無理やりシーケンスしてデータを出しました。
結果としてはリード1およびリード2でそれぞれわずか20リードちょっとが、バクテリア、真菌、魚類、植物にBlast解析の結果ヒットしました。イルミナ社のシーケンサーの技術的問題点であるindexの振り分けミスよりも低いレベルです。なので、この結果が実験室の空気中由来のデータであるのか、あるいはindex振り分けミスであるのかを断定することもできないですが、この結果からは実験室内でバイオエアロゾル化したPCR産物がコンタミネーションの原因である可能性は非常に低いということが言えます。まだ1回しかやっていないので、これからも定期的にサンプリングしてデータ取得していこうと思っております。
散々な結果も覚悟していたので、少しホッとしております→帰って一杯飲みます。