RNA-seq解析(遺伝子発現解析)

RNA-seq

1.RNA-seq解析(遺伝子発現解析)のサービス概要

価格 40,000円/サンプル
※サンプルが原核生物やSaccharomyces cerevisiaeの場合、rRNA除去が必須です(20,000円/サンプル)
※24サンプル以上で数量割引があります。
データ量 2,000万リード/3Gb(サンプルがバクテリア等の場合は、1,000万リード/1.5Gb)
納期 25営業日 ※データ解析不要(生データ納品)の場合は20営業日
作業内容 ・送付サンプル(トータルRNA)の品質確認(注1)
・オリゴdTでmRNAを精製、ランダムプライマーでcDNA合成
※原核生物やSaccharomyces cerevisiaeの場合は、オリゴdTでmRNAを精製できないため、rRNA除去キットを用いて、rRNA除去を行います。(20,000円/サンプル)
・シーケンスライブラリー作製
・シーケンシング解析(DNBSEQ 150bpペアエンド解析)
・データ解析(注2)
hisat2ソフトウェアを用いて参照配列にマッピングいたします。その後、featureCountを用いてカウントを行った後、RPKM/TPM正規化を行います。
※cufflinksを用いた解析も対応可能です。
納品物 以下のデータをDVDやUSB等の記録媒体に保存して納品します。
・報告書
・シーケンス生データ(fastq形式)
・マッピングとカウント結果(エクセルファイル)
・参照配列(fasta形式)と遺伝子アノテーション(gff形式)
・DDBJのデータベース登録に必要なデータ
※データ量が多い場合はHDD納品となり、HDD代として別途10,000円(税別)がかかります。お手持ちのHDDを送付いただき、そちらに保存して納品することも可能です。
<HDD納品となる目安>生データ納品の場合は200Gb、データ解析ありの場合は100Gb
ご提供サンプル トータルRNA 1 μg以上(>50ng/ul、>20ul)
※ドライアイスを同梱し、冷凍便を使用して送付ください。
※RNA濃度が基準値未満の場合は、「微量RNA対応」のオプションをご覧ください。
ご依頼の流れ まずはお見積りをご依頼ください。お見積り依頼フォームをご用意しています。

(注1)rRNAの分解が進んでおり、シーケンシング解析を行ってもデータが得られないと判断した場合は、中止させていただきます(この場合のご請求は行いません)。
(注2)De novo transcriptome assembly 解析の場合、解析方法が通常の解析とは異なります。

2.オプション

項目 備考 価格(税別) 追加
納期
RNA抽出 QIAGEN社のRNeasy等を使用して、トータルRNAを抽出します。
<ご提供サンプル量の目安>
細菌:細胞数 1×10^9程度、湿重量 20 mg程度
酵母:細胞数 5×10^7程度、湿重量 25 mg程度
植物(葉):湿重量 50 mg程度、直径1.5cm
動物細胞:細胞数 1×10^7程度、湿重量 20 mg程度
動物組織:湿重量 20 mg程度
20,000円/サンプル 5営業日
rRNA除去 siTOOLs Biotech社のriboPOOLを使用して、rRNAを除去します。 20,000円/サンプル なし
微量RNA対応 微量RNA(>1 ng/ul、>20 ul)に対して、ライブラリー調製を行います。真核生物のみ対応可能です。劣化したRNAではライブラリー調製ができません。
20,000円/サンプル 5営業日

ータ解析
発現比較解析 <参照ゲノム配列あり>
iDEGES正規化(Sun et al., BMC Bioinformatics, 2013)後、edgeR/DESeqを用いて発現変動遺伝子を検出致します。
1パターン50,000円
※追加1パターンごと+10,000円
なし
<参照ゲノム配列なし>
De novo transcriptome assemblyで得られたcontigに対しBowtieを用いてマッピングを行います。その後、edgeR/DESeqを用いて発現変動遺伝子を検出致します。
Volcano プロット 発現比較解析結果の発現比とp値で作図します。 1パターン10,000円
※追加1パターンごと+2,000円
なし
ベン図 複数の発現比較解析の結果、発現上昇または低下した遺伝子の集合関係をベン図で示します。
ベン図についてのご説明
20,000円 なし
主成分分析(PCA) 遺伝子発現プロファイルの類似性を座標分布で示します。
※3サンプル以上で解析可
10,000円 なし
クラスタリング解析 遺伝子発現プロファイルの類似性を階層クラスタリングで示します。
※3サンプル以上で解析可
10,000円 なし
相関図作成 遺伝子発現プロファイルの類似性を相関図で示します。 10,000円 なし
ヒートマップ解析 遺伝子発現プロファイルを色で表現した可視化グラフを作成できます。 20,000円 なし
パスウェイ解析 KEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)を利用したパスウェイ解析です。発現変動解析の結果から同定された遺伝子が、どのような代謝系に関わっているのかを可視化させます。また、Fisher検定による有意差検定を行います。 1パターン50,000円
※追加1パターンごと+10,000円
なし
Gene Ontology (GO) 解析 全遺伝子のGO termと発現比較解析の結果から同定された発現変動遺伝子のGO termについて、出現頻度の比較とFisher検定による有意差検定を行います。発現変動遺伝子の特徴的なGO termを推定することができます。 1パターン50,000円
※追加1パターンごと+10,000円
なし
→パスウェイ解析&GO解析 セット割引 -30,000円
KEGG pathway classification chart 各サンプルに対して、分類されたKEGGカテゴリーに関連する遺伝子の割合を可視化します。また、機能pathwayの視点でサンプル間の違いを比較することができます。
デモデータはこちら
10,000円
※パスウェイ解析もご依頼いただく必要があります。
なし
De novo transcriptome assembly 参照配列がない非モデル生物の遺伝子カタログ配列を、Trinityで構築します。 100,000円 なし

3.具体例

標準解析

遺伝子発現行列データをエクセルデータで納品します。>>詳しいデータをご覧いただけます

サンプル毎にどの遺伝子に何リードマッピングされたかを示しています。また、RPKM/TPM正規化後の数値も示しています。

RPKMとtpm

発現変動解析(オプション)

1.遺伝子発現比較解析の結果をエクセルデータで納品します。>>詳しいデータをご覧いただけます

===データの見方===
-sample_name: 正規化前のリードカウント
– a.value: log2(平均発現量)
– m.value: log2(発現比)
– p.value: p値
– q.value: q値 (false discovery rate(FDR))
– rank: q値が低い順にランク付けされています。
– estmatedDEG: 「1」は発現変動遺伝子(q<0.05)、「0」は発現変動遺伝子ではないこと(q>0.05)を示します。

2.MAプロットの図をpng形式で納品します。
横軸がlog2(平均発現量(A))、縦軸がlog2(発現比(M))を示しています。
MAplot

Volcano プロット

Volcano プロットをpng形式で納品します。
Volcano プロット は、MAプロットの親戚の図です。volcano plotは横軸がlog2(発現比)、縦軸がp値を示しています。

主成分分析(オプション)

1.相関行列をエクセルデータで納品します。>>詳しいデータをご覧いただけます

correlation

2.主成分分析の結果をpng形式で納品します。
PCoA RNAseq

クラスタリング解析(オプション)

クラスタリングの結果をpng形式で納品します。
clustering

ヒートマップ解析(オプション)

Treeview用のデータを納品します。
そのデータを使用して、お客様自身でご希望のヒートマップ図を作成いただけます。
Heatmap RNAseq

パスウェイ解析(オプション)

パスウェイ解析の結果をテキストデータで納品します。エクセルで開くことができます。>>詳しいデータをご覧いただけます

KEGG

Gene Ontology(GO)解析

Gene Ontology(GO)解析の結果をエクセルデータで納品します。

GO解析結果例

4.よくある質問

Q1.推奨のRNA抽出キットは?

特にございません。弊社ではQIAGEN社のRNeasyシリーズを使用することが多いです。

Q2.送付の際、バッファーは何でもよい?

滅菌水のほか、Tris や TE 、抽出キットの溶出バッファーでも構いません。但し、塩濃度が高いバッファーの場合、QCの電気泳動がうまくいかない可能性がありますので、避けてください。

Q3.RIN値の目安は?

バイオアナライザーのRIN値で7以上が目安です。送付前にお客様側でも品質確認される際は、参考にしてください。

Q4.DNase処理は必要?

ゲノムDNAの混入は望ましくないので、DNase処理をお勧めします。

Q5.ウイルスの解析は可能?

以下の通り、ゲノムの形状により解析できるものとできないものがあります。
一本鎖DNA(ssDNA):×
二本鎖DNA(dsDNA):〇
一本鎖RNA(ssRNA):〇
二本鎖RNA(dsRNA):〇 ※環状化dsRNAは×

また、①宿主由来のrRNAの混入があるか、②対象ウイルスのRNAにpolyAがあるかによって、ライブラリー調製方法が変わりますので、お見積り依頼時に①②の情報をお知らせください。

Q6.送付時の温度帯は?

●total RNA送付の場合
冷凍便を利用し、必ずドライアイスを同梱してください。

●生サンプル送付(弊社にRNA抽出もご依頼)の場合
◇RNAlaterなどの核酸保存液に浸しているサンプル
冷凍便を利用し、ドライアイスは同梱せずに送付してください(核酸保存液は-20℃以下で凍結してしまうため)。
◇-80℃で保存していたサンプル
冷凍便を利用し、必ずドライアイスを同梱してください。

Q7.オプションのデータ解析は必要?

必要かどうかは目的によります。
オプションを付けない標準のRNA-seq解析でも遺伝子の発現量やざっくりとした遺伝子発現の違いは明らかにできます。
それが統計的に有意かどうか解析する場合に「発現比較解析」が必要になります。
「発現比較解析」は発現量に有意差のある遺伝子(発現変動遺伝子)をリストアップするだけですので、同定された発現変動遺伝子の代謝系における役割や機能的グループを明らかにしたい場合は、それぞれ「パスウェイ解析」や「GO解析」を行う必要がある、といった使い分けになります。「パスウェイ解析」では発現変動遺伝子が代謝系のどの部分が変動しているのかが分かり、「GO解析」では発現変動遺伝子がどのような機能をもったグループが多いかが分かります(出現頻度の解析)。

Q8.発現比較解析などのパターン数って?

例えば、A群・B群・C群があり、A群 VS B群・A群 VS C群の発現比較解析をする場合は2パターン、総当たりで行う場合は3パターンとなります。3群間比較(A群 VS B群 VS C群)も可能ですが、発現比較の発現平均値(A値)と発現比(M値)が算出されないため、MAプロット図の納品はなく、エクセルデータのみの納品となります。

Q9.納品後にデータ解析を追加で依頼できる?

ご依頼いただけます。データの保管期間は納品後3か月ですので、それ以降はデータ送付をお願いする場合がございます。

Q10.DNBSEQ-G400の特徴は?

なんといってもコストパフォーマンスがよいことです。低価格で高品質のショートリードが取得できます。

Q11.DNBSEQ-G400の出力データはどんな形式?

出力はfastqファイルで、Q値は最新のイルミナ社製シーケンサーと同様にsanger形式です。

Q12.DNBSEQ-G400の生データのクオリティは?

DNBSEQ-G400(MGI社)とHiSeq(イルミナ社)を用いてシーケンシング解析を行い、取得したリードのQ20およびQ30を比較したところ、2機種のそれらは同等でした。

5.ちらしPDF

RNA-seq DNBSEQを用いたRNA-seq解析のパンフレットPDF

6.お問合せ・サンプル送付先

お見積り・お問合せ

お見積りフォームお問合せフォーム、メール(dna@gikenbio.com)、または お電話(042-780-8333)でお気軽にご相談ください。

サンプル送付先

株式会社生物技研
〒252-0154 神奈川県相模原市緑区長竹657 / TEL 042-780-8333
※平日着でお送りください。発送は元払いでお願いしています。

<添付書類>
依頼書→dna@gikenbio.comへ送信ください。あわせてサンプル送付時に印刷したものを同封ください。

 

遺伝子解析サービスについて

DDBJへの登録について

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