ホルマリン固定サンプルに関しては今までお断りしていたのですが、コンスタントにお問い合わせがあるのでやってみることにしました。市販のキットを流用して動物組織からDNA抽出したところ、問題なくシーケンスまで進んで種同定できました。弊社の技術力ではなく、キットの技術力です。これからいろんなサンプルでやってみようと思います。ホルマリンのDNAへの作用ですが、断片化よりも立体障害の方が大きいのではないかと思います。以前ホルマリン固定した魚類からDNA抽出したことがあるのですが、濃度測定するとDNAはあるのですが、PCRが全くかかりませんでした。今回数百ベースを問題なくPCRできました。キットに入っているクロスリンクを解除する工程がポイントだと思います。ホルマリン固定→顕微鏡による同定を行ったサンプルについてDNA解析できれば、これまでDNA解析技術がおいついていなかった分野でも利用が拡大できると思います。むしろホルマリン固定することによって常温で安定した保管が可能となり、DNA解析の面からみても保管方法として良いということになったりして?高分子DNAはさすがに断片化されていると思うので、あくまでも数百ベースのPCRが想定ですが。