600サイクルキットはMiSeqでのラン試薬のみの販売でしたが、2022年にNextSeq1000/2000に対応した600サイクルキットがリリースされました。
菌叢解析は継続研究が多いので、両機種で同等の結果が得られるのかが気になるところです。
弊社でテストした結果を紹介します(おまけで、MGI社のDNBSEQ-G99の結果もあります)
<サンプル>
soil-201:当社社屋の前の土
koen-yagi-soil1-2:当社所有公園のやぎの近くの土
koen-ike-soil1-2:当社所有公園の池の周りの土
schoolyard-1-2:学校の校庭の土
nakatsu-river-2:中津川の川沿いの土
<解析条件>
対象領域:16S rRNA V3/V4領域
ライブラリー調製方法:2-step tailed PCR法
シーケンシング条件:2-step法で調製したライブラリーを以下①または②のシーケンサーとラン試薬を用いて、2x300 bpの条件でシーケンシングを行いました。
①MiSeqシステムとMiSeq Reagent Kit v3 (Illumina)
②NextSeq 1000システムとNextSeq 1000/2000 P1 Reagents (600 Cycles) kit (Illumina)
データ解析:菌叢解析用パイプラインQiimeを用いて、系統推定を行いました。
おまけ)上記ライブラリーをMGI社のコンバージョンキットを用いて調製した後、DNBSEQ-G99(MGI)を用いて、2x300 bpの条件でシーケンシングを行った結果も比較しました。
<結果>
MiSeq、NextSeq 1000およびDNBSEQ-G99のどのシーケンサーを用いた場合でも、系統推定結果に違いは認められませんでした。
図:主座標分析 (PCoA)の結果
サンプルごとに色分けされており、各色3点(MiSeq、NextSeq1000、DNBSEQ-G99の結果)が近距離にあり差異が少ないことがわかります。
以下URLから実際のデータをご覧いただけます(グラフ右側のSelect a Clolor Categoryの欄でTreatment1(サンプルで群分け)またはTreatment2(シーケンサーで群分け)を選んでいただくとわかりやすいかと思います)。
https://gikenbio.com/data/NextSeq_Weighted_unifrac/index.html
生データや系統推定結果含む全データのダウンロードはこちらから
この結果を受け、弊社では2024年8月よりNextSeq1000を本格稼働させました。ショートリードのアンプリコンシーケンス解析は、MiSeqとの2機種体制になります。